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生活クラブ浦和の「近現代史連続講座」 善方一夫先生の講座のレポートです。

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満州事変後 その1
3/22残り

 先日子供たちが金婚式を祝ってくれました。
   金婚式 
  『お父さんは皆さんと歴史を勉強してください』
  『お母さんは皆さんと合唱してください』

 子供たちも皆さんにご支援いただいていることを喜んでいます。


満州事変・日本はどう受け止めたか

 戦争へと突き進んでいった背景を検証してゆくと
 なし崩しに軍部が暴走し、それを止められなかった政府と
 真実が報道されずマスコミにより戦争が煽られたのでした。

◆翌日の新聞 

東京日々新聞の翌日の記事。
両軍衝突の原因に?マークがついているのが記者の良心。

満州事変を報じる新聞記事


◆花谷忠「満州事変はこうして計画された」

   「知性」56年12月号
   (図書館に頼んで熊本の図書館から取り寄せ)

「島本大隊川島中隊の河本未守中尉は鉄道線路巡察の任務で
 部下数名を連れて柳条溝(柳条湖ではない)へ向かった。
 北大営の兵営を横に見ながら約800メートルばかり南下した。
 地点を選んで河本は自らレールに騎兵用の小型爆薬を装置して
 点火した。時刻は10時過ぎ、轟然たる爆発音とともに
 切断されたレールと枕木が飛散した」

◆政府の対応

9.19 AM10:00 外務省より関東軍の謀略を示す電報の提供を受け
           第二次若槻禮次郎内閣は不拡大方針を決定。

・奉天総領事第一報
 「事件ハ全ク軍部ノ計画的行動ニ出タルモノト想像サレル

・奉天総領事第二報
 「各方面ノ情報ヲ総合スルニ、軍ニオイテハ満鉄沿線各地ニワタリ
  一斉ニ積極的行動ヲ開始セントスル方針ナルガ如ク推察セラルル」

◆中国で報復の軍事行動開始

 関東軍の板垣征四郎と高級参謀・石原莞爾参課らは
 中国軍隊の行為と主張し報復の軍事行動を開始する

「支那正規兵(兵力三四百名)ハ突如柳条湖付近、満鉄本線ヲ
 爆破スルノ暴挙ヲ敢テセリ」
 (参謀本部編「満州事変作戦・経過ノ概要」)

9.19 AM7:30 陸軍省・参謀本部「今回ノ関東軍ノ行動ハ全部至当ナリ」
          と兵力増加に意見一致

9.19 AM8:00 朝鮮軍(司令官・林洗十郎)満州へ越境出動

          実は板垣は朝鮮軍の神田正種参謀に10月に決行と伝えて
          その時は朝鮮軍も間島に進出し占領する手はずだった
          関東軍の要請により素早く出動した
          司令官同士でなくNo.2レベルでこんな画策があった

  ※奉勅命令が出されてないので統帥権干犯
    しかし天皇は追認、陸軍の暴走のきっかけになった

  ※板垣や石原が31年秋に決行を急いだのは
    万宝山事件、中村事件で世論がわいていたこと、
    ソ連が五カ年計画に没頭しているうちでなければ
    ソ連の中立化は保障できないと考えた


ここから4/12

◆NHK初の臨時ニュース

9.19 ラジオ(日本放送協会)早朝、日本放送初の臨時ニュースを流して
    柳条湖事件を報道

その後、協会は下記のことを明確にした。
「ラジオの全機能動員して生命線満蒙の認識を徹底させ
外には正義に立つ日本の国策を明示し、
うちには国民の覚悟と奮起を促して、
世論の方向を指示するに努める」

  ※戦争は正義の為で国民の奮起を促すよう誘導

◆新聞も

9.20 朝日新聞社説

「暴戻(ぼうれい)なる支那軍隊の一部が
 満鉄線路のぶっ壊しをやったから
 日本軍が敢然として起ち、自衛権を発動させたとふまでゝである。
 …に本の重大な満蒙権益が現実に審判され踏みにじらるゝ時
 如何に日本が死命を賭しても、強く防衛に当たるのは
 厳粛無比の事実である…」


10.12 大阪朝日新聞 重役会議の決定事項

「国家重大時に処し、日本国民として軍部を支持し
 国論の統一を図るのは当然の事にして現在の軍部
 及軍事行動に対しては絶対非難批判を下さず
 極力これを支持すべきこと。」

  ※軍部を全面支援


◆若槻禮次郎内閣の対応

9.19 不拡大方針を決定

       ↓ 

9.22 政府は朝鮮軍の経費支出を決定 
    出兵も承認

天皇の発言によって変わった

「此度ハ致シ方ナキモ将来十分注意セヨ」
と金谷参謀総長に説示しただけで越境の追認を裁可した
そのため政府は前言を翻し戦火が拡大する道を歩み始めた

  ※開戦の詔書では輔弼者が責任を負うので
   戦後、天皇は責任を問われなかったが、
   中国戦線の責任者である陸軍総長が越境を天皇に上奏し
   許可が必要であったのに
   勝てば統帥権を侵しても文句を言われないということが敗戦まで続いた
   この件に関しては統帥権を握っていた天皇に全責任がある



◆満鉄 鉄道爆破は本当にあったのか

(小学館刊 昭和の歴史3「天皇の軍隊」大江志乃夫著より)

リットン調査団の報告書に記載された日本側の破壊状況説明では
日本の軌道の先端に31インチ(約77センチ)の間隙を生じたとなっている
非常呼集で現地にかけつけた奉天保安区の立原道夫の目撃証言では
線路の破損はなかったという
『満州守備隊』には
「弾雨の中、鉄道の破壊個所を午前5時20分までに修繕」したとあり
仕事に従事した保線関係者は保線助役以下14名とある

※軌道1本25M 1,250kg 2本で2,500kg

満鉄編『満州事変と満鉄』bには柳条湖の鉄道爆破による被害および
修理の状況について一字の記載もない


◆リットン調査団報告書

9月18日午後10時より10時半の間に鉄道線路上、若しくは
其の付近(奉天の北郊柳条湖付近の満鉄線路)に於いて
爆発ありしは疑なきも鉄道に対する損傷は若しありとするも
事実長春よりの南行列車の定刻到着を妨げざりしものにて
其のみにては、軍事行動を正当とするものに非ず

同夜に於ける叙上日本軍の軍事行動は正当なる自衛手段と
認むることを得ず
…吾人は「満州国政府」なるものは地方の支那人に依り
日本の手先とみられ支那人一般に之に
なんらの支援を与へるものに非ずとの結論に達したり

  ※爆発直後の列車が定刻に大連に到着している


◆極秘の関東軍 警務局資料

(10年近く前に明治大学で『満州事変』の講座でいただいた資料)
関東軍の記録

・日支衝突事件ト管内治安維持ノ概要

本日十八日午后十時三十分頃奉天北大営支那軍隊ハ…
         ↓
本日18日午後10時30分頃、奉天北大営中国軍は南満州鉄道
奉天駅を隔てて北1里の柳条湖鉄橋を爆破しさらに
同地域鉄道地鉄道守備分遣所を襲撃したることに端を発し
日支軍隊の衝突を惹起し遂に満州各地に於ける
関東軍の活動となりたり
列車の運行は一時不通となりたるも翌19日午前7時に至り
復旧工事完成暫く開通するに至りたる
  …略…
同新聞逓信関係については軍部よりの以来に基づき
軍部発表以外の戦況及び行動の記事は掲載を禁止したり
  …略…
奉天、営口などの我が軍占領地域は群生を敷き
その治安維持に努めつつあり
  …略…


◆満州事変への天皇の言葉

1932.1.8 満州事変の翌年天皇、関東軍の勅語下賜

曩ニ満州ニ於イテ事変ノ勃発スルヤ自衛ノ必要上…
       ↓
ここに満州に於いて事変の勃発するや自衛の必要上
関東軍の将兵は果断神速寡よく衆を制し速やかに
之をエン討(敵を討ち平らげる)せり
爾来難苦を凌ぎ…或いはノンコウ・チチハル地方に
或いは遼西錦州地方に氷雪を衝き勇戦力闘以て
その禍根を抜きて皇軍の威武を中外に宣揚せり
朕深く其の忠烈を嘉す


  ※詔書には副書あり(各大臣副書し責任を負う
   勅語は副書無く天皇に全責任を負う



◆世論はどうであったか

開戦時の浦和の町で

①9.28埼玉県在郷軍人会の決議
(田中義一が作った在郷軍人会が世論を動かす原動力になった)

 1.満蒙に於ける我が帝国の権益を確保し
  之が徹底的解決を期す

 2.第三者の干渉に対し断固排撃を期す

 3.国際聴きに善処するため公正なる国論の統一を期す

②10.4埼玉会館「国防大講演会」に配布した宣伝ビラ

 満蒙の我が権益は(日露戦争の)20万の尊き犠牲と
 20億の軍費を投じて獲得したのである
 奮起せよ!今やこの権益は侵害せられんとす
 決起せよ!我が帝国の自衛自存のために
 満蒙の地は我が帝国死活の国防線である
 我が国家の経済的発展の重要な地点である
 15才以上 夫人も来聴せられたし

③12.16 慰問金、金611円24銭、陸軍大臣宛贈呈

  ※年末貧困者救済寄付金265円余

  ※私たちが全面的に戦争へと傾くのが額にも表れている

神戸市民の声

31.9.20(満州事変の二日目)神戸新聞の記事

・車夫(海岸通り)
 幣原(国際協調主義を唱える外務大臣)があかんよって
 支那人になめられるんや。
 向こうから仕掛けたんよって満州全体いや支那全体したらええ。
 そしたら日本も金持ちになって俺らも助かるんや。
 
・交通巡査
 大いに応長すべしだ

・市電車掌
 やりゃいいんです。やっつけりゃいいんです。
 大体支那の兵隊といえば卑怯なやり方ですからね
 …うんと仇討ち、賛成ですね。

・商店主(元町通り)
 ともかく、今まで培ってきた満州のことです。
 捨てて溜まりますか。
 私はこれでも日露戦争に出たんですからな。

・料理屋女将(花隈)
 これで景気が良くなりますと何よりです

子どもから戦場の兵士へ

32.1.24 大阪朝日新聞・在満将士慰問生徒作品

・「大君の御為に」神戸市明親小学校高等科1年近藤カネ

寒風吹きすさぶ満州の原野に、国のため、私たちのために
働いてくださる兵隊さんに深く深く感謝します。
温かい内地でも冬が来て寒さが見にしみてまいります。
それにつけてもそちらの寒さはいかばかりかと思われます。
先生に伺えば満蒙の地は我国にとってどうしても離されぬ
大切な所だそうでございます。
それに私たち父祖は、日清・日露の両役に二度までも
ここに尊い血を流し幾多の尊き屍を埋めて居ります。
どうぞ、どうぞ私たちの祖国のため、父祖のため
いえいえ一天万乗の大君の御ために
あくまでも非道な敵と戦ってくださいませ。
内地に留まっている者は、誰も彼も皆あなた方を
たよりにしています。

(江口圭一『十五年戦争と民衆の国家意識』
               歴史地理教育No.363)


             …続く

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昭和 | 00:09:28 | Comments(0)

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