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生活クラブ浦和の「近現代史連続講座」 善方一夫先生の講座のレポートです。

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国家主義と女性
1/13

 私たちは国民である前に、「市民である」という意識を持たなければいけ
 ないんですけども、軍国主義は「国家の成員は市民でなく国民である」
 ということが基本にあるんですね。 

  1月13日



1.ファシズムのイデオローグ カール・シュミット

※イデオローグとはイデオロギーの担い手。提唱者・理論家

カール・シュミット - Wikipedia

1934(S9)ヒトラー政権掌握の年頃から活躍。カールの思想↓

■軍国主義とは
①一般市民の抹消に他ならない
 国家の成員は「市民」でなく「国民」
 兵士への内的変成(国家のために命を捧げる)
②軍隊とは国家に内在するものでなく、
 国家そのものである
③軍隊内部の秩序(上官の命令に絶対服従)は生産現場から
 教会、大学、家庭に至るまで社会生活の全ての場に浸透させる

■市民とは
①国家に敵対的で秩序を脅かし、壊乱をもくろむ勢力
②活動を続ける国家機構といかなるときにも
 出撃可能な軍隊が必須とする要件と
 相いれないもろもろの思想
(自由主義、ヒューマニズム、民主主義、
 議会主義的立憲思想、 人権や個人の尊厳に関する理念、
 市民の国政への参加を求める思想)を是とする存在


2.ヒトラーの男女二つの世界

■ヒトラー著「国家社会主義的婦人の書」=女性参政権反対


婦人の世界は、夫であり、家族であり、子供であり、家庭だからである。
小さな世界の面倒を見るものがだれもいなければより大きな世界はどうなるのか。…婦人が男子の世界に押し入ることは正しくない。
むしろ男女二つの世界が分離してこそ自然であるとわれわれは考える。…一方の世界に属するのは感情の力、魂の力であり…たほうの世界に属するのは、力強い見識、力強い厳しさである。…婦人が家族を支えるのと同じように男は国を支える。夫人の兵頭の権利は自然が夫人に定めた生活領域において、彼女がふさわしい高い尊厳を得るという事実のなかにこそある。
男にあっては支配的なものは理性である。
男は探求し、分析し、しばしば計り知れない新しい世界を拓く。

※ケイト・ミレット、藤枝澪子 他訳「性の政治学」ドメス出版
 ミレットはこの書でファシスト国家及びその独裁体制は、
 父権制的性格を特徴としていることを力説している。

〇国家主義
「この世にあって最高の価値をもつものが国家」である。
最高の価値を持つ国家は、そこに住む国民に対して
その国民の社会生活全般を統制し国家に役立つ国民を作る。

〇超国家主義=侵略主義
国家そのものを肥大化し強化してゆく。
そのために領土の拡張が必要。
侵略戦争を是とする。
個人の自由は認めない。国の政策には無条件で是とする。

〇全体主義
縦の秩序に対して従順になることを求められる。

3.明治の民法の中心概念は「家」

1898(M31)7月16日民法全編施行
第四編、第五編に制定された家族制度の定義

■純粋な家族制度
「家」が戸主の権力によって統一され、家族は一様に戸主の権力に服従し、父権、親権以外は全て戸主権に吸収される制度。
「家」は戸主によって統一される国家の構成分子であり、個人は家を通して国家を構成し、家に属することによって各種の権利を有する。

※伊藤隆監修、百瀬孝著「昭和戦前期の日本~制度と実態~」吉川弘文館刊

■「家」制度は封建制度の遺物ではなく明治近代国家の発明品
明治政府は国家的統一を成し遂げ、民衆に国民としての統合の意識を持たせるため私的領域をも究極的には国家の細胞とするために「家」制度を整備し法制化。
全体主義の国家にとって国家の権威の根底にあるものは家族制度の基盤にある家父長制に他ならない。
国家制度は家父長制度を基盤とする家族主義の固定化のうえに築かれる。

4.家族イデオロギーと国家主義イデオロギーは根本的に同一

ヴィルヘルム・ライヒの記
国家における、彼(父親)の地位は、家族の他の成員に対する家父長制関係の中に反映される。
権威主義国家は一つ一つの家庭の中に自己の代弁者、すなわち父親を持ち、父親はこうして国家の最も貴重な道具となるのである。父親の権威主義的地位は彼の政治的役割を反映する。
彼(父)の子供、特に息子たちに権威に対する服従を植え付ける。

※ヴィルヘルム・ライヒ 平田武清訳「ファシズムの大衆心理(上)」セリカ書房刊

5.国家主義を支えた天皇制

私たちは戦時下、国民は天皇の「赤子」といわれ、皇后を「国母」と呼ばされた。家族と言う最小の社会的単位から出発することによって、日本の軍国主義体制は国民によって感情的、精神的に支えられてきた。

6.フランスでの女性を母性に閉じこめる動き

「親の学校」創設者ヴェリーヌの言葉
第二次世界大戦中にフランスのペタン・ヴィシー政府(1940~42)「議論の余地のない天職」として母性の中に女性を閉じこめようとした。
最も崇高で最も困難な役割「人間を作り、育て上げる」が私たち母親に割り当てられた。それ以上私たちに何が必要だろうか、(略)母親が自分の息子たちにきえることのない愛を与えることが大切なのである。…幼年期に母親から受けた影響は、それはどんなに遠い過去のものであっても、父親の維新と模範の記憶と共に常に彼らを(誘惑から)守ってくれるだろう。

※ペタン・ヴィシー政府
中部フランスの街ヴィシーに設置したペタンが首相の対独協力のファシスト的政権。フランス第三共和政は廃止された。フランス南半を統治し、北半はドイツ軍が占領した。ペタンは第一次世界大戦では英雄であったが降伏後は対独協力に努め戦後、反逆罪で服役中没。95歳。

7.母の日の歴史

1927(S2)ドイツの花屋団体が始めたもの。
これは日常生活の中に母親崇拝を植え付けることに大いに貢献したので、ナショナリスト(民族主義者、国家主義者)が熱心に推進し、母親援助綱領、子供の多い母親の表彰、公的な場での母親礼賛などと共に、人口政策的論議に機会を提供してきた。
1933(S8)ヒトラーが政権をとってからは、彼の母親の誕生日8月20日に変更。
その日に子どもが8人以上の母親に金、6人以上は銀、4人以上は銅という「母親勲章」を授与。

<参照・引用文献>若桑みどり「戦争がつくる女性像」1995年9月筑摩書房刊

昭和 | 03:55:03 | Comments(0)
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