■講座内容と日程
■プロフィール

ひさごん

ひさごん

生活クラブ浦和の「近現代史連続講座」 善方一夫先生の講座のレポートです。

■リンク
■最近の記事
■最近のコメント
■過去ログ
■カウンター
■戦争の作り方

戦争の作り方

■Keep9

banner

■メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

■検索フォーム

■カテゴリ
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


スポンサー広告 | --:--:--
治安維持法に反対 山本宣治(2)





  先生はよく京都を訪ねて“昔の方”に会いに行きます。

  「京都に行った時訪ねた山本宣治の碑と生家の料亭です。
  宇治の観光案内所に行って尋ねたら
  しまってあった資料を出して来てくれました。
  立派な政治家なのに地元でもこんな扱いでした。」
  と残念そうにおっしゃっていました。

  山本宣治の碑の前で
  山本宣治の碑

  実家の花やしきの料亭の前で
  実家の料亭


治安維持法とその改悪は「国体」という
天皇を神とする国家体制を維持するための
きわめて粗雑で悪質な法律でした。

ただ一人治安維持法に真っ向から反対して
右翼に暗殺された山本宣治。
何故彼は治安維持法に反対したのでしょうか。

支配階級が労働者たちから搾取している政治体制と
それを維持するために治安維持法を利用し拡大解釈し
違法な取締りをしようという国家の犯罪に対して
国会議員として勇気をもって弾劾しようとしたのでした。

彼を刺したのは右翼でしたが、
彼を本当に殺したのは国家だったのでしょう。
講義の中で国家権力が右翼の犯行を黙認し
裁判では犯人が軽い刑ですんだことを知りました。
彼の国会でするはずだった演説の原稿を読むと
驚くほど今の状況とシンクロする部分があります。
昭和の初期に彼を失った日本は
無謀な戦争への道をひた走り破滅へと向かいました。
同じ轍を踏まないためにも今一度彼の言葉に耳を傾けましょう。

★治安維持法はどう改正されたのか
 (1928年6月29日公布施行)

・国家体制を変えようという者、私有財産制度否定者は
 十年以下の懲役か禁固刑。
            ↓
・国家体制を変えようとした者は死刑か無期
 もしくは五年以上の懲役もしくは禁固刑。

 私有財産否定目的の結社組織者、役員などは
 十年以下の懲役または禁固刑

 非常に刑が重くなった


★時代背景

・日本共産党の弾圧 --- 3・15事件(1928.3.15)

・山本の死で日本共産党は壊滅的な打撃を受ける。

・浜口内閣。インフレ、緊縮政策。産業合理化して立て直そうとした。

・自由主義的資本主義から国家独占資本主義へと変貌。


★山本宣治の出来なかった演説の原稿
「治安維持法改悪反対 --- 前衛虐殺法反対」


(1~6略)
        7
 さて、次に、議会政治とは何かという問題を解剖して見なければならない。
この議会政治は、人民の代表によって、誠治の大綱方針が決定されるところの
民主主義的な存在であるというように幻想されているものである。
従って、議会政治には、人民の意志が入っているものだという風に説明され
是認されているはずである。
 しかるに、その実質はどうであるか。
 それは、あまりにもキレイに、右の幻想を粉砕するものである。
いまや、議会政治は美事まり資本家階級の政治機関として、
その本質を露呈するに至っている。
 ことに、その適例として、緊急勅令というものの発布によって、
議会政治というものが、どんなにもなるものだという事が証明されるのである。
この間の形式的な議会については憲法違反の問題として、
既に述べつくされているようだから再言しないが、ともかく、
資本家階級の必要に応じていつでも緊急勅令というものが
濫発されるということが、判然して来た。
 すなわち、いうところの議会政治は、完全に破壊されて、
一般大衆の眼を欺くための偽装としてのみ価値と意義をもったものだと
断言出来るのである。
されば、わたくしは、この確信のもとに、
この帝国議会へ臨んでいる次第である。

         8
 治安維持法は、いまや、もっとも悪辣に改悪されようとする。
最大十年というのを、死刑、無期、五ヵ年以上というような
極刑をもってするに至った。
 然しながら、その法文の内容は、極めて曖昧である。
 その第一は××(伏字=国体)であるが、いったい××とは何か
という観念が、極めて粗雑である。
しかも粗雑なばかりでなく、これを神秘化して、
支配階級弾圧の口実たらしめようとしていることを見なければならない。
いうまでもなく、××とは人民から独立したところの存在ではない。
××こそは、その国土の中にある人民である。
したがって、人民の多数がすなわち、××の内的概念であり要素である。
果たしてそうだとすれば、××こそは、無産階級の存在の上にのみ
樹てられてるものである。
然るに、血迷える俗学者を始めとして、××を×(主)権と結びつけたところの
絶対権だとしていることは、甚だしい虚構である。

 第二は××××(私有財産)制度の変革ということである。
××××(私有財産)という制度を、永久化することは、
さしあたり、今の資本家、地主の要望である。
そのために、彼らが、このうましき現実を、未来永劫にわたって確保、
-維持-発展しようとしているのである。
それだからこそ、この制度を変革されることに対して死に物狂いの闘争を
決意するのであろう。
 だがしかし、この××××(私有財産)せいどこそは、被支配階級から
強奪したものの集積の歴史を持っているところの制度であり、
したがって、労働者・農民の恨みをもって綴られたる歴史をもつのである。
之を近く、明治維新の歴史を見るも、現在の皇室領及び国有財産中には
無料没収という行動がとられてことを回顧することが出来るはずである。

 しかも、この制度は、今日資本主義国家の発展自身にたいする桎梏となり
労働者・農民を生活難につき落とすところのお障害物となっていることは
極めて明瞭である。
さればこそ、国民の生活向上のための唯一の道は、
この××××(私有財産)制度の破壊をなさない以上、
もはや動きがとれないということは、明瞭である。
このように、必要なことであるにもかかわらず、
かかる障害物の除去という方向に動く無産階級の開放運動を、
厳罰に処するということは、実に理不尽もまた甚だしいことである。

 第三は「変革」という点に関するものであるが、われらは、
あらゆる社会進化の段階を、躍動せる歴史的事実として見るものである。
さればこそ、われらにとって重要なものは、この変革の道である。
しかるに、治安維持法の狙うところのものは、
資本主義の「七つ道具」を、守護するために、
この意義ある歴史的事実をすべて抹殺し、
変革に処するものを厳罰しようという。
しかるに、その場合厳罰の目的となる「変革」という観念を
法律的にどう解釈するかという点が、不明確である。
これすなわり、この法律の濫用を意図したものであろう。

 従来の例によれば、当局は、議会で説明した点や
司法省や内務省で声明を発しておいたことを何の造作もなく
でたらめに解釈・適用し去っている。
このことは、第五十議会における小川『平吉』法相の説明や、
その年の、内務・司法両省から発表されたところの声明が
完全に「嘘のための方便」となっていることは、
現に共産党事件に連坐されられている同士諸君について見れば、
極めて明らかである。
たとえば、運動の外廓にあるものは、処罰しないと言っておきながら
依然として、これを処罰していることや、
なんら治安維持法の範囲内へ入らないところの
京大学生事件などというものをデッチ上げて惨酷な処罰をしたことや、
なんら犯罪にあたらないところの外廓を、
今なお鉄窓の裡につないでいる如きは、明らかな事実である。

 しかるに、いまここに、改悪案を掲げて、極刑に問おうとするのは、
従来、嘘と不法とで固めた方法にあきたらずして、
今後ますます兇暴なる弾圧に曝そうという意図に過ぎない。

 わたくしは、労働者・農民の代表として、
帝国議会に臨んでいるものとして、かかる悪法・緊急勅令を
永久化することには、徹底的に反対なものである。
悪法・悪勅令の撤廃をこそ、あくまでも高唱してやまないものである。

(9~10略)
          11
従来、わが国において、いわゆる国事犯=政治犯
というものがあった。だがしかし、これらのものは
反対党の闘士を弾圧するための合法的犯罪として、
この犯罪が特殊的な取り扱いをうけていたものである。



★山本宣治あれこれ

山本宣治の筆跡
山本宣治の筆跡

山本宣治は行動する生物学者であった。
学問と政治の関係を問い詰めつつ無産者生物学にむかった。


母 多年(たね)の晩年の歌

  「かくあれば かくなることとしりながら
         ついにゆきにし 君をぞ思ふ」


長野の別所温泉に山本宣治の碑がある訳

死の四日前に共産党の高倉輝に呼ばれて信州で農民たちの前で演説。
感銘をあたえる。その後彼が殺されると高倉たちが碑を建てた。
3.15事件で高倉が追放され碑も潰されそうになるが
かしわや旅館が碑を隠して保管し戦後また建てられた。

こちらに碑の写真や建っている周辺の写真がたくさん出ています。
散歩の変人 : 別所温泉



昭和 | 01:06:50 | Comments(0)
コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

FC2Ad

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。